相続税がかかる人とかからない人の違いは…
相続税がかかる人とかからない人の違いは…
一言でいうならば、「故人の財産が基礎控除額を超える」かどうかです。
※ここでいう故人とは、亡くなられた親など
故人の財産(主に自宅や預貯金)が基礎控除額を超える場合には相続税がかかります。超えなければ相続税はかからないということ。
相続税が課税されるかどうかはとてもシンプルで、故人の財産が概ね3000万円以上あるかどうかで判断されるといいと思います。
3000万円というと自宅+預貯金があれば超えているかもしれないな…と推測できる金額です。
平成26年までの相続税は6000万円までがかからないラインだったのが、3000万円までラインが引下げられました(厳密には以下に説明する相続人数も関わってくるため3600万円~)。
基礎控除額とは・・・相続税が課税されるかどうかの判定基準
※相続財産と基礎控除額を比べて、相続財産が基礎控除額を超えていなければ相続税は課税されないということです
基礎控除額=3000万円+600万円×相続人の数
(例)相続人1人・・・3600万円
相続人2人・・・4200万円
相続人3人・・・4800万円
では実際どのくらいの人が相続税を払っているのでしょうか?
財務省と国税庁のホームページ上で毎年公表されていますが、平成17年から26年までは相続税がかかる人は100人に4人~5人で推移していました(約4~5%)。
平成29年に相続税が課税された人が約8.3%ですから、100人に10人にいない計算、つまり90%以上の人は相続税を支払う必要はないということになります。
上述したように相続税の基礎控除額の計算式は、
3000万円+600万円×相続人の数
ですので、相続人の数が多ければ多いほど基礎控除額が増えて相続税が課税されない、または相続税の納税額が少なくなるということになります。
相続人の数を数えること自体は難しいことではありませんが、相続人に養子がいる場合や相続放棄した相続人がいる場合は注意が必要となります。
相続人に養子がいる場合
養子も相続人であることに違いありませんが、相続税の基礎控除額を算定するにあたり制限があります。
故人に実子がいる場合・・・養子は複数いても1人として算定する
故人に実子がいない場合・・養子は複数いても2人として算定する
(例)
故人に実子1人がいる場合で養子が3人いる場合の基礎控除額は、
3000万円+600万×2人(実子1人+養子1人)=4200万円
となります。養子は基礎控除額の算定上3人として算定されません。
相続放棄した相続人がいる場合
相続放棄をした相続人がいる場合でも相続税の基礎控除額を算定するにあたり相続人の数に相続放棄をした人を含めます。
(例)
相続人が妻と子3人の場合で子1人が相続放棄をした場合でも基礎控除額は、
3000万円+600万×4人(妻+子3人)=5600万円
となります。相続放棄をした相続人も基礎控除額の算定上は相続人の数に含まれます。
なお、生前に贈与しておけば相続税はかからないのでは?という考えも生まれると思いますが、必ずしもそうではありません。生前に贈与した財産のうち、亡くなる前3年以内に贈与したものについては、その贈与がなかったものとして相続財産の金額を計算しなければならないこととされているためです。
これは、亡くなる直前に駆け込みで贈与を行い、相続税を逃れることを防止するためのものです。ただ、その贈与について贈与税を支払っている場合には、二重課税にならないように支払った贈与税の額を相続税の額から控除することとされています。
(記事:岐阜東支店コンサルタント 渡辺)