生命保険の考え方
今回のテーマは「生命保険」
弊社は保険代理店なので、生命保険商品の情報が最新かつ豊富なのは当然。ですが今回は商品選択以前に大切な「どれだけの保障が必要?」という件をお書きします。
「うちの保険料は高くないか?」「この保障額で大丈夫?」という質問は、変わらず多いです。加入している生命保険の内容が理解できていないか、ある程度理解できていても保障額が合っているかどうかわからない、という理由からくる質問だと思います。
基本となるのが「必要保障額の算出」。つまり「命の値段」です。亡くなったことをリアルに想定していくら準備しておけばいいのか。
今回は、たとえばご主人が亡くなったとき、ご家族がその後困らないように生活していくためにいくら必要か?を具体的にしていきましょう。
・必要保障額①―死亡一時金
代表的なものは「葬儀費用」。つまり死に様を考える。お葬式上げてお香典いただいた分を差し引いて、どのくらい必要なのか、または家族葬でこじんまりと送ってほしいのか。
加えて「お墓費用」はどうか。ご先祖と一緒のお墓に入るのか、新たに建てるのか、または永代供養のようなものにするのか。死亡一時金一つの中に、人生の最期をどう迎えたいか、という思いが反映してきますね。
・必要保障額②―生活資金
一般的に、ご夫婦とお子様世帯でご主人が亡くなると、生活資金は70%程度になると言われています。毎月30万円かかっているなら21万円。じゃあこの金額を全て備えるのか?というわけではないと思います。
まずは「遺族年金」。こちらはご主人がサラリーマンや公務員、自営業かによって受給額が違いますが、お子様2人いて高校卒業するまでは毎月10万円程度は受け取れるはずなので、それを超えた分をどうするか、によりますね。
ここで、奥様が働いて不足分を稼げるのか、そうでないのかを想定してみましょう。もし生活費が何とかなるからこの費用は準備不要、例えば毎月数万円足りないということなら、その分の補填を考慮するといいと思います。
・必要保障額③―お子様の教育資金・結婚資金
高校までの学費は生活資金に含むとして、ここは大学進学資金を検討します。ご主人がいないから、せめてお子様の希望通り、例えば私立大学&仕送りになったとしても、親の援助で希望を叶えさせたいのか、又はその逆で、ご主人がいないから大学以降は奨学金やアルバイトで自力で通ってほしいのか、現時点での親としての教育への考え方、価値観が反映してくると思います。ここは夫婦でも価値観が違うことがよくあるので、話し合うことによって新たな家族の絆ができたり、コミュニケーションが深まったりします。
結婚資金も、大学進学資金と全く考え方は同じです。親として全て援助していきたいのか、またはその逆で自分達で頑張ってやってほしいのか。
これ、正解は無いと思うんですね。家族としてどうしていきたいのか、お子様も一緒に話し合ってみるのもすごくいいと思いますよ。
・必要保障額④―予備資金
上記①~③が明確になったとして、あとは奥様がどのくらい予備のお金があったら安心か、を想定してみましょう。車買い替え、家のリフォームなど、ある程度まとまった費用として見積もれるものを算出してみてもいいと思います。
上記①~④を合計したものが「必要保障額」になります。
これが具体的になったら、それを現金で備えるのか、生命保険で備えるのか。例えばご主人の必要保障額が5000万円で、預金が既に1億円ある場合、必要保障額がもう現金であるわけなので、生命保険に入らなくてもいい、となるかもしれません。あるいはもし十分な現金があっても、それは別に取っておいて、生命保険で必要保障額はカバーしておきたい、となるかもしれません。ここも夫婦でよく話し合う場面ですね。
そして、どれだけの保障を生命保険で対応するかが決まったら、やっとここで商品の選定になるわけです。掛け捨て、貯蓄併用、それぞれに特徴があるため、捻出可能な保険料や貯蓄額と照合して決めていきましょう。
必要保障額の算出、生命保険の加入、どれも一人一人の生き方、家族の有り方が大きく関わってくると思います。今を喜びいっぱいで生きていくために、一度必要保障額についてご家族でじっくり話し合ってみることをお勧めします!
(記事:本社FP事業部 尾関)