子どもにゲームを買ってほしいと言われたら知っておきたい7つのこと
こどもにゲームを買ってほしいと言われたら知っておきたい7つのこと
そろそろ子どもがゲームを欲しがる年頃になってきたお父さん、お母さん。買ってあげたいけど、ちゃんとルールを守ってくれるだろうか......不安を抱えていませんか?
たとえば1日1時間の約束を守れず、宿題もせず、夜9時を過ぎても延々と......怒りたくないけど、怒ってしまうお父さん、お母さんがいることも事実です。
この記事ではこれからゲームをわが子に買ってあげたい、保護者の方の不安を解消するヒントをまとめました。家庭内でゲームがトラブルになってしまう多くの原因は、子どもに対する親の接し方が間違っているからです。
実は、わが家も息子がオンラインゲームにドハマりした時期がありました。冷や冷やすることもありましたが、今となってはゲームはほどほど、無事高校生になりました。そんな子育て経験も交えてお伝えします。
- 1. 子どもが約束を守れない理由
「うちの子に限って約束は、守ってくれるだろう」「まだ小学生だから親の言うことは、聞いてくれるだろう」そう思って、子どもに言われるがまま口約束してゲームを与えたら、もう最後です。
人間の脳は「すぐにメリットある行動を選択する」構造になっています。(出所:石田淳 行動科学マネジメント)つまり、本能的に楽しい時間を選択することは、ごくごく自然な行動なのです。
痩せなきゃいけないと思いながらも、お菓子の誘惑に負けてしまうのと同じ現象です。つい食べ過ぎてしまうお父さん、お母さん同様、約束を守らないわが子に、罪はありません。
- 2. 約束を守らないから最初にやるべきこと
結論からお伝えすると、ゲーム機に機能制限をかけましょう。最近のゲーム機器はとても優れています。ペアレンタルコントロールといって、プレイステーションの場合なら、制限時間や強制シャットダウンを設定することができます。
【ペアレンタルコントロールの設定方法】
ポイントは、初めてゲーム機の箱を開けた、もしくは新しいゲームをダウンロードした時点で「親のアカウント」を使って登録し、各種設定を進めていきましょう。親のアカウントで登録すれば、何か問題があったり、いつもと違うアクションを子どもが起こしたりすると、その都度お知らせメールが送られてきます。
具体的に例をあげると、夜9時になったら強制的に電源が消える、課金をしたら親のメールアドレスへお知らせがくる、こんな感じです。わが家もこの仕組みによって、無断で課金していることがわかりました。
続いて、最低限のルールを2つだけ紹介します。
- 3. 最低限のルールは2つだけ
まず「個人情報については絶対に他人へ漏らさない」ことをしっかりと理解するまで伝えましょう。時間制限よりずっと大事なことです。
子どもの年齢にもよりますが、本名だけでなく、学校名・住所・電話番号・生年月日(年齢)・性別などです。とにかく、自分の子どもがどこに住んでいるのかを知られる要素は一切排除する、相手に伝えないこと、です。世の中いろんな人がいます、本当に何が起こるかわかりません。
トラブルを防ぐためのルール2つ目は新しいゲームを買うとき、ダウンロードするときには親へ相談、もしくは報告することです。このタイミングが把握できれば、機能制限など事前に手を打つことができます。
- 4. ゲームの時間は子どもにとって大切な時間
学校から帰ってきた子どもが、一目散にゲームをはじめる姿にうんざりすることがあるかもしれませんね。オンラインゲームは、放課後に近所の公園で友達と遊ぶことと同じコミュニケーションです。遊ぶ場所がない、時間がない子どもたちの大事なくつろぎの場でもあります。
ゲーム中の会話を聞いていると、その日学校であったことを共有したり、日ごろの愚痴を言ったり、ゲームよりも会話を楽しんでいるようなときもあるはずです。
また、オンラインゲームのメリットは、学校以外の同世代や大人たちと触れ合う機会が無数にあることです。社会との接点が無限に広がります。
わが家の場合、普段出会うことのない同世代、お兄さん、オジサンたちと交流することができました。その空間で随分と非対面のコミュニケーションスキルを高めたように感じます。最終的には身元を確認したうえで、気の合うゲーム仲間とリアルに会うところまでたどり着きました。
- 5. 子どもがハマっているゲームに関心をもつ
人間誰しも自分が好きなことについて、他人から否定されると、とても嫌な気持ちになりますよね。子どもであっても同じです。否定される相手が大好きなお父さん、お母さんなら、なおさらその時のショックは大きいことでしょう。
ゲームって、そんなに悪いことなのでしょうか?実は、ゲームはとても親孝行な遊びです。お金や時間の観点から、習い事や学習塾と比べてみました。
| イニシャルコスト | ランニングコスト | 親の拘束時間 |
ゲーム (プレステ5) | ゲーム機本体 88,000円~ | 課金しなければ ほぼ無料 別途、周辺機器や付属品など数万円~ | 0分 |
習い事 (スイミング) | 入会金5,500円 水着2,200~4,620円 バッグ・帽子等 4,950円 | 月会費9,460円 年会費2,200円 水着買い替え 2,200~4,620円 | 週2回 片道15分の場合 ⇒8時間/月 |
学習塾 | 入学金 相当額 | 月額13,200円 別途、 期別講習など | 週2回 片道15分の場合 ⇒8時間/月 |
※プレステ5本体価格:価格.com参照
※スイミング:サンながらホームページより 週2回コース参照
※学習塾:明光義塾ホームページ 料金シミュレーションより小学5年生、45分授業週2回で試算
すべて2022年6月21日時点のデータ
ゲームについては、イニシャルコストもランニングコストも、ほとんどかかりません。(ハイスペックゲーミングPCを除きます)いっぽう習い事や学習塾は、毎月のランニングコストだけでなく、送迎などによる親の拘束時間が発生します。
兄弟姉妹がいると、夕方の数時間はピストン送迎が延々続くこともあります。子どもがゲームで遊んでくれていれば、お金はかからないし、親の時間も確保できます。またには親孝行なわが子が好きなゲームを、一緒にプレイしてみてはいかがでしょうか。
- 6. 3つの場所で「承認欲求」が満たされないときが危険
ここでお伝えしたい「承認欲求」が満たされないとは、具体的に以下の3つの状況です。
・友達との人間関係に悩みや不安がある
・学校の先生とのコミュニケーションがうまくいっていない
・家での居場所がない、親が子どもに無関心
友達・学校・家3つのコミュニティーでの不安、不満が子どもの許容範囲を超えてしまうと、ゲームへの取り組み姿勢に変化が現れることがあります。急に課金が増えたり、ゲームの時間が異常に長くなったりなど。
こういったことが起こったら、いきなり叱ったりせずに、じっくり子どもの話を訊いてあげてください。学校の先生から、普段の様子などを聞きながら、相談してみることも重要です。ただし先生の言うことは参考程度にすること、あくまで子ども本人の考えや意見を尊重してあげてください。
- 7. 子どもが「何に興味を示す」か、がすべて
結局ゲーム以外に楽しいことが見つかれば、子どもはそちらを選ぶはずです。冒頭お伝えしたように「メリットある行動を選択」します。
朝までゲームをやっていても、土曜日のサッカーの練習に自ら進んで行くなら大丈夫です。塾をサボってゲームばかりの日々が続いたら、塾の先生に相談してみましょう。勉強をしたいけど、モチベーションが上がらない自分自身に自信を無くしている子どももいます。無理をして行かせようとするほど、ゲームにのめり込む可能性が高くなります。
ちなみにうちの息子には「朝までやっててもいいよ」と、言ったことが何度かありました。実際に朝まで出来るようになったのは、中学生3年生になってからです。それまで何度もチャレンジしましたが、眠くなってゲームどころではなかったようですよ。
- 8. まとめ
多くの場合、子どもの成長にともなって、ゲームの時間は少なくなっていきます。最低限のルールだけをつくって、温かく見守って、何事も応援してあげることが大切だと、子育てを通して感じたことです。
親が不安な気持ちに負けてしまい、子どもへの接し方を間違えると、ゲームの問題が長期化したり、悪化したりする可能性がありますから注意をしてください。
やがて中学生、高校生になってもSNSや動画視聴などに長時間触れることもあるでしょう。親の考えや想いと違った方向にそれることも多々あるかもしれません。そんなときも、子どもが「何に興味を示すか」を忘れないで下さいね。
(記事:本社支店長 太田)
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